これまで多くの子供たちを救ってきたユニセフ

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(1)幅広い内容の活動で世界の子供たちを救っている

ユニセフは国際連合児童基金として、日本でも多くの人たちに認知されています。

活動を1946年にスタートさせた組織で、第2次世界大戦の後に緊急援助をするために設立されていることが特徴の1つです。

そして援助する対象となるのが子供だけに限定されていることも、その時代には画期的なことで注目されました。

日本も第2次世界大戦の後に援助してもらったことがあるので、日本国内でも非常に有名です。

1949年から子供の不衛生な状態や栄養不足を解消するために、15年間に亘って脱脂粉乳などといった物資が援助されました。

また日本は当時、主な援助の対象となる国で広く現地活動が実施されて恩恵を受けています。

第2次世界大戦の被害から復活して経済的に成長していった日本は、援助活動を逆にサポートする立場の国として参加している訳です。

日本が募金する金額は、2015年にアメリカに次いで2番目に多い金額を実現しているのでサポートされる子供たちにとっては日本は必要不可欠な存在であると言えます。

援助活動を実際に行っている現地ではHIV対策や保健活動だけではなく衛生管理や清潔な水の確保、食料の援助などの活動にも力を入れている訳です。

具体的には水を供給する井戸を作ったり、病気を予防するためのビタミン剤やワクチンの投与などが行われています。

他にも子供に教育を施したり、武力紛争や自然災害が発生したときに緊急に子供を保護して人道支援を行うなど幅広い内容の活動を行っているのです。

(2)援助の対象となる国やエリアは時代の変化によって移る変わる

武力紛争が発生しているエリアでは少年兵や強制労働などの人権問題が起こるため写真展や国際シンポジウムを開催して啓発を行い、国際社会に対して継続的に訴え掛けています。

現地では子供たちを保護することが最優先させる事柄になっており、組織的に対応して成果を出していることも注目するべき点です。

未来を見通した中期的から長期的なサポートも含まれるので、子供のことを本当に優先して活動を行っていることが理解できます。

子供の命を重視しながらも、現在必要となるサポート内容を把握するためにモニタリングや現状分析を行い政策を具体的に提言することも行っているのです。

1万人単位のスタッフが活動していて、その中には3千人以上の国際専門職のスタッフがいて日本人も100名ぐらいが国際専門職のスタッフとして貢献しています。

過去に日本が援助を受けて復活したように、援助の対象となる国やエリアは時代の変化に伴って移り変わるのです。

近頃はロヒンギャ問題が勃発している地域だけではなく、シリアで繰り広げられている内戦が行われている地域にもユニセフが援助を行っています。

ロヒンギャは、ミャンマーにいる少数民族が迫害によって隣りの国であるバングラディシュに逃亡し難民となっている問題です。

人数は、およそ70万名にも及び、その中のおよそ6割ぐらいが親を亡くした子供たちとなっています。

心にトラウマを抱えている子供や、食べ物が欲しいために身体を売っている場合もあるのです。

ユニセフはこれ以上被害が拡大するのを防ぐ目的で、難民キャンプで援助活動を行っています。

(3)現場の政府や国連機関と協力して援助活動を行っている

実際に子供を保護した施設では、およそ80名ぐらいの子供たちが子供らしく笑顔で遊んでいる報告がされているのです。

避難してきた直後は表情がなく、目にも生気がなかったとスタッフが話していました。

最初は子供に画用紙とペンを与えても燃え上がる住宅や銃撃される人など、悲惨な出来事を思い出される絵を描くケースがほとんどだったのです。

集中的に精神的なケアを施したところ、4ヶ月が経過した頃には絵の題材も明るくなり笑顔に変わりました。

活発にボールで遊ぶようになるなど、保護することによって子供らしい心が回復したと言えます。

援助を受けることができる子供は、ほんの一部なため援助活動がまだ足りているとは言えない状況です。

それでも成果が得られていることは、悲惨な状況の中に差し込む希望として輝く紛れもない事実であると言えます。

国際社会にサポートされながらユニセフは、現場の政府や日本ユニセフ、国連機関と協力して援助活動を継続しているのです。

支援物資だけが頼みの綱の子供が食事をすることが出来ない日が発生したり、子供から大人が食べ物を奪い取る事例も起こっています。

問題は山積していて全て解決するのには程遠いのが現状ですが少しでも状況を改善する働きかけを諦めていないことが、せめてもの救いです。

現場に暮らす人たちは生活そのものに希望が持てなくなっているため、現状を出来る限り早めに改善していく必要があります。

被害者が出てきてから援助を始める組織であるため、どうしても後手になってしまうことがデメリットです。

しかし避難民を受け入れることによって、避難民に希望をもたらすことが出来ます。

活動範囲は広く戦地と隣り合っている場合も少なくありませんが、それだからこそ援助活動は必要とされ大きな意義がある訳です。